こんにちは、気分障害のアキです。
先日、ブログ開設2ヶ月以上にしてはじめての検索流入がありました。
気になるキーワードですが…
「死にたくなったとき」
おう…当ブログをこのワードで検索したとき、グーグルで表示されるのは72番目です。
ということは、その方、かなり死にたい気持ちに襲われていて、どうにかしたくてネットに頼っていたんでしょうか…。
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なんとも切ない感じがします(´・ω・`)
私たちは死と隣り合わせに生きている
病名はどうでもいいんです。とかくうつという症状につきものなのが希死念慮、つまり「死にたい」気持ちです。
自分消滅スイッチがあれば押しちゃうだろうなという人、かなりいると思います。
死と隣り合わせに生きている私たちはうつサバイバーです。
毎日がサバイバル。
いつ「死にたさ」が襲ってくるかわからない。
いくら「病気がそう思わせているんだ」と思おうにも、死にたさが軽くなるわけじゃありません。
毎年自殺者は3万人ほど出る日本ですが、そのうちの1万人はなんらかのうつ症状を持っている人であるという厚生労働省の統計があります。
うつ病を含む気分障害の患者数は112万人いると言われていますが、そのうちの1万人が毎年自殺で実際に亡くなっているんです。
はっきり言ってヤバい数字ですよ。うつ患者のおよそ50人に1人が自殺に至っているんです。
未遂も含めたらとんでもない数になるでしょうね。
「死にたいとき」で検索した人もきっと、希死念慮と戦っている同胞なのでしょう。
死なないためなら何でもしよう
死んだら終わりです。本当に終わります。
でも、病気のせいなんですよ。
病気でなければ死にたいなんて思わないはずなんです。
あるいは、パワハラなどに悩んでいる方は、会社を辞めてストレス源から離れてしまえば死にたいなんて思えなくなるはずなんです。
借金で苦しんでいるのであれば、借金がなければ死にたいなんて思わないはずなんです。
汎動物学を参考にしてみよう
動物は大きな危機に直面した時に「気絶」することがあります。
気絶することで血圧や呼吸が低下して、敵は「こいつ死んでるな」と判断するか、ターゲットを見つけられなくなって大きな危機を脱することができる可能性が出てくるんですね。
特に水中で生きる動物は、心臓の拍動や呼吸は音となってダイレクトに敵に伝わるので、気絶して生命活動レベルを低く抑えることで、敵から察知されるのを避けることができるのです。
私たちが「死にたい」と思うのは、この動物的な危機反応と似通っているような気がします。
本当は気絶してしまいたいくらいの重大なストレスや危機にさらされているけれど、脳がうまく動いてくれないから気絶ができない。
だから「気絶してしまいたい」「現実に直面したくない」「逃げたい」という思いに身体が反応せず、それが「死にたい」という希死念慮の形になってあらわれてしまう。
医学的な根拠とかないただの持論ですけど。
気絶反応のなりそこないが希死念慮であれば、実際に死なない程度に気絶しちゃったら良いんでないの、と安直に思います。
つまり希死念慮が浮かんだとき、動物的な反応に従うとしたら、眠剤飲んで寝てしまう、いわゆる寝逃げは有効な手段なのではないかということです。
幸せホルモンと希死念慮の関係
うつになると幸せホルモンと呼ばれる脳内神経伝達物質セロトニンが減少すると言われています。
セロトニンは朝日を浴びたりするとトリプトファンというたんぱく質から生成され、ラジオ体操や散歩などのリズム運動をすることで活性化され、脳内で作用するといわれています。
が、今まさに死にたい人がそんなこと悠長にやってらんないですよ。
少なくとも私はそうです。
じゃあ別の「幸せホルモン」にはたらきかけてみよう、というわけで「ランナーズハイ」を引き起こすといわれているもうひとつの幸せホルモンエンドルフィンを紹介します。
エンドルフィンは脳内麻薬と呼ばれていて、分泌されると多幸感が得られることで知られています。
エンドルフィンの分泌に良いとされている食品がチョコレートです。
チョコレートに含まれる糖分は、セロトニンの材料でもあります。
死にたくなったらとりあえずチョコレートを食べてみましょう。単に食べるだけじゃなく、「これはエンドルフィンを分泌してくれるんだ」と思いながら食べるとグッドです。
思い込みの力は強いので、それだけでもエンドルフィンが割り増しで分泌されるかもしれません。
それでも死にたい気持ちがどうにも消えないのであれば、次はグルーミングをしてみましょう。
グルーミングは脳に様々な変化をもたらす
グルーミングは動物にとって食事、排せつ、交配と同じくらい重要な行為だと言われています。
ヒトであればお化粧をする、ムダ毛を処理する、ヒゲをT字カミソリで丁寧に剃る、美容院に行く、マッサージを受ける、話を聞いてもらう、カラオケに行く、掃除をする、整理整頓をするなど、自分がちょっとすっきりしたり気持ちよくなることならなんでもオッケーです。
グルーミングをすることで気持ちが別の方向を向いたり、自分を丁寧に扱うことで「ホッ」としたりします。
話を聞いてもらう相手がいないのであれば、紙に自分の気持ちを書きましょう。
そして紙に書かれた言葉を客観的に見て、書く自分と読む自分とで会話をしてみましょう。
死にたいときというのは非常にストレスフルです。ストレスにさらされると一般的には呼吸や心拍が上昇して、身体は緊張し、臨戦態勢に入っています。
グルーミングはその興奮した身体をリラックスに導く効果があります。
自分の身体に絵具とかで落書きをしまくって、それをシャワーで丁寧に落とす作業をするのも効果的でしょう。
積極的にオススメするわけではないですが、自傷行為も一種のグルーミングです。
自傷をすることで一瞬心拍が急上昇し、すぐに急下降するという身体の反応が起きます。
この急上昇した後急下降する、という過程を経ることで、脳は「安心感」を得て、更にエンドルフィンがドバドバ分泌されることが分かっています。自傷は生理的に合理的な生存戦略なのです。
傷や痛みは残りますが、ぶっちゃけ言えば死ぬよりましです。
死ぬくらいなら自傷をした方が良いです。
ただし、自傷をしてしまったことに罪悪感を感じて余計につらくなってしまう人にはオススメできません。
死にたいとき、重要な決断はしない
死にたいときは病気が猛威をふるっているときです。
メンタルクリニックで「死にたいです」と言うとテンプレ回答のように「死なないと約束してください」みたいなことを言われる場合もあると思います。
死にたい気持ちを感じているときは異常な状態です。
異常な状態で脳は正常な判断はできません。
ですから、死にたいときこそ人生に関わるような重要な判断をするのは適当ではありません。
死にたいときは全力で死にたさから逃れる選択をしましょう。
一生死にたいと思い続けるわけじゃないです。
うつには波があります。波が通り過ぎるのを待つのが大切。
波どころか津波のようにすべての思考を飲み込んで埋め尽くしてしまうこともあるかもしれませんが、それもいつかは引いていきます。
一番良くないのは孤独です。
自殺してしまう人って、独りで決めて、独りで死んでしまうんですね。
なので、一番いいのは誰かと話をすること。
Twitterで「死にたい」と呟けば誰かが反応して声をかけてくれるかもしれません。
死にたいときこそ誰かに頼りましょう。
何でもかんでも独りで考え込んでしまうのは病気の思うつぼです。
医師でもいいですし、いのちの電話的なところでもいいですし、SNSでも、何なら出会い系サイトでも、あるいは5chなどの匿名掲示板でもいいでしょう。
誰かに聞いてもらう、誰かから反応がくることで孤独感は薄れます。
今死にたいあなたは、独りじゃありません。
同じ症状をもち戦ううつサバイバーは他にもたくさんいます。
仲間とつながりましょう。