こんにちは、気分障害のアキです。
今回は社会福祉士らしく、医療や福祉の制度について紹介します。
行政サービスは申請主義といって、そのサービスを知って使いたいと申請しなければ利用できません。しかし、詳しい内容を教えてくれる医療機関はあまりない印象です。
これを機に、気分障害の方が適切な医療や福祉を受けられるようになるといいなと思います。
それではいってみましょう。まずは医療から。
目次
これは使いたい!医療の制度
医療でも、とりわけ精神科医による精神疾患の治療にスポットを当てていきます。
自立支援医療は絶対おさえておこう
普通に医者にかかると3割負担になりますが、ずっと通い続けなければいけないうつ治療においてこの3割は結構重いです。薬が多い人はなおさらだと思います。
自立支援医療制度をつかうと、窓口での自己負担が1割になります。
これは全国共通の制度です。
かかっている医師に「自立支援医療の申請をしたい」と伝えましょう。
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訪問看護
訪問看護とは、看護師やリハビリ専門職の方が訪問看護ステーションから自宅に訪問して、バイタルを測ったり話を聞いてくれたり服薬状況を確認してくれるサービスです。
訪問看護とは、病気や障害を抱えながらご自宅で療養中の方に、看護師などのケアスタッフが訪問して療養生活のお世話や診療の補助を行なうサービスです。
訪問看護のスタッフは、主治医の指示(訪問看護指示書)や他の介護事業者と連携しながら、自宅で療養中の患者様へ訪問して療養上のお世話や必要な診療の補助を行なっています。
訪問看護の看護師は医師の指示のもと動きますので、利用する場合はかかりつけの医者に「訪問看護を利用したい」と伝えましょう。
訪問看護では次のようなサービスが受けられます。
- 会話のお手伝い、話し相手
- 不眠・精神的不安な際の声掛けや見守り
- 家族の悩み相談
- 服薬方法の指導や確認
- 食事・運動・休養などへの助言
- その他医療的行為
訪問看護も自立支援医療の対象になるので、自立支援医療証があれば1割負担で利用することが出来ます。
デイケア(通所リハビリ)
デイケアとは、通院しながらリハビリテーションを受けるサービスです。
薬の処方などの医学的アプローチに加え、臨床心理士などによる心理的ケア、精神保健福祉士による社会的ケアを受けることが出来ます。
デイケアでは以下のようなサービスが受けられます
- 個別面接(カウンセリング)
- 集団療法(認知行動療法など)
- 生活リズムを整えるトレーニング
- コミュニケーション向上トレーニング
- 復職支援
- 自助会や居場所づくり
利用にはデイケアを実施している医療機関への受診が必要となります。
「お住まいの地域+精神科デイケア」で検索してみてください。
利用料は自立支援医療の対象となりますので、自立支援医療証があれば1割負担で利用することができます。
福祉サービス
福祉サービスには障害者手帳によるものと、障害福祉サービス受給者証によるものがあります。
手帳によるサービスはお住まいの自治体によって異なりますので、お住まいの福祉課や保健所に問い合わせてみましょう。
精神障害者保健福祉手帳
名古屋市の場合、以下のようなサービスが受けられます。
- 市営地下鉄、市バス、あおなみ線、ゆとりーとライン運賃無料
- 市営動物園、水族館、科学館、博物館、美術館の入館料無料
- 各種税金の所得控除
- 配食サービスによる安否確認(障害者のみの世帯)
- 市営住宅の入居(障害者枠)
- 水道料金の軽減
- 市営駐車場・駐輪場の利用料減額
- 国民健康保険料の減額
その他、手帳の等級などにより様々なサービスがあります。
障害福祉サービス受給者証
障害福祉サービスは全国共通です。(障害者総合支援法による支援制度です)
ひとり暮らしの方にとっては心強いサービスが多くあります。
障害福祉サービスには以下のようなものがあります。
- ホームヘルプ
介護の有資格者が家事や食事・入浴、通院などの手伝いをします。 - 行動援護
症状により外出が困難な方に付き添って外出を支援します。 - 自立訓練(生活訓練)
訓練施設への通所で、心理療法やカウンセリングによって生活をサポートします。 - 就労移行支援(リワーク)
就労を希望する方に、健康管理や求職相談、就労訓練を行います。 - A型作業所
企業での就労が難しい方が雇用契約のもとで働く場所です。 - B型作業所
就労が難しい方が知識や能力向上のため生産的活動を行う場所です。 - グループホーム
共同生活によって日常生活の援助を受けながら体調を安定させていきます。 - 地域相談支援
ひとり暮らしの方の生活をサポートできるよう常時連絡ができます。 - 特定相談支援事業所
障害福祉サービスに関する相談を行います。
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生活をダイレクトに支える障害年金
最近審査が厳しくなったともっぱらの噂ですが、使えるものは全て使いたいですね。
というわけで、年金制度の紹介です。
障害基礎年金
障害基礎年金は国民年金に加入しており、年金保険料をある程度納めている方は、障害基礎年金を受給できる可能性があります。
- 障害基礎年金1級
月額約8万円の支給に加え、子どもがいる場合は更に約1.8万円の「子の加算」分が支給されます。
常にほぼ寝たきり状態の方が1級に該当します。 - 障害基礎年金2級
月額約6.5万円の支給に加え、子どもがいる場合は更に約1.8万円の「子の加算」分が支給されます。
障害によって援助なしに生活することが困難な状態が2級に該当します。
障害厚生年金
障害厚生年金は障害の初診日に厚生年金に加入している方が受給できる可能性があります。
- 障害厚生年金1級
障害厚生年金の支給額はこれまで収めた保険料によって異なりますが、最低保証額は月額約6万円で、年収800万円以下の配偶者がいる場合は更に約1.8万円の「配偶者の加算」分が支給されます。
障害の程度は基礎年金と同様です。 - 障害厚生年金2級
1級同様に保険料によって支給額が異なりますが、最低保証額は月額約4.8万円で、「配偶者の加算」もあります。
障害の程度は基礎年金と同様です。 - 障害厚生年金3級
2級と同じ金額ですが、「配偶者の加算」はありません。
援助なしに働くことが困難な状態が3級に該当します。
年金制度以外にも、その他の給付制度がある場合があります。
名古屋市の例を紹介します。
なお、障害の等級は独自の審査基準があるようです。
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その他の給付制度
自治体独自の給付制度(名古屋市の場合)です。基本的に2級以上の障害がある方が対象です。
- 特別障害者手当(国、県、市)
月額約3万円~3.8万円 - 児童扶養手当(国)
所得に応じて子どもひとりの場合、月額9,980円~42,290円
父、または母に重度障害があり、18歳未満の子を扶養している場合に支給されます。
年金との併給調整があります。 - 愛知県遺児手当(県)
子どもひとりにつき月額4,350円
父、または母に重度障害があり、18歳未満の子を扶養している場合に支給されます。
年金との併給は出来ません。 - ひとり親家庭手当(市)
子どもひとりにつき月額3,000~9,000円
父、または母に重度障害があり、18歳未満の子を扶養している場合に支給されます。
全ての制度は申請しないと使えない
気になる制度はあったでしょうか?
日本の福祉制度は申請主義です。
制度の存在を知って、「利用したい」と申請しなければ使えません。
今は軽い障害状態であっても、今後悪化する可能性はないとは言えません。
その時のために、いざという時に使える制度を知っておくことが重要です。
ぜひ、おさえておいてくださいね!