こんにちは、気分障害のアキです。
私は4月半ばにOD(多量服薬)をしました。
オーバードース(英語: drug overdose)とは、身体あるいは精神にとって、急性の有害な作用が生じるほどの量によって、薬物が使用されることである。それによって一時的、あるいは永続的な影響があり、最悪死亡することがある。
日本語では過剰摂取、過量服薬と翻訳されている。略称は OD。過剰・超過を意味する over と服用量の dose との複合語である。
3週間分の処方薬をウーロン茶2杯と酎ハイで一気に飲み下したのです。
自殺未遂だったのか、単に現実から逃げたかったのかは今でもわかりません。
ただ当日の記憶をたどると、
- 一般的な自殺方法とリスクを調べている
- OD後に行われる一般的な処置と致死率を調べている
- ネットカフェで服薬後、商店街近くで倒れている
- 手帳に障害者手帳、自立支援医療証、お薬手帳を挟んでいる
このような行動をとっているので、自殺目的というよりは強制的に自分を入院させるための手段として、行われたのかなと思っています。
目次
黄色信号が出ていた3月
配置転換で慕っていた先輩が全員いなくなり、私の教育担当が個性的な先輩に変わりました。
その先輩は言うことはきついけど仕事は大ベテランで尊敬していた人。きっちりと仕事をしないと気が済まないタイプで、ミスが続いた私に連日時間外にLINEで厳しく指導してきました。
正直、その時間外の厳しい指導で徐々にうつが酷くなっていきました。
仕事中は過緊張、いつ何を叱られるのかという恐怖心。
そんな風に思いながら家に帰ってからも仕事のことが頭から離れない日々が続き、希死念慮に頭が支配されるようになっていきました。
3月の受診時、主治医に訴える
主治医に最近の生活があまりに落ちすぎているので、普段は口頭だけでしたがこの日は手紙を持参しました。食事、整容、家事、色々書きましたがこの記事では気分の状態だけ抜粋して紹介します。
- 気分の状態
仕事後は家に帰るとすぐ横になりたくなる。学童にいる息子を迎えにいくのが億劫で、ぎりぎりの時間までぼーっとしている。息子のために無理やり体を動かしている。帰ってから食事の用意などまでする意欲がない。週の半分以上は夫が仕事を早く終わって迎えに行ってくれている。
仕事帰りの電車を待っている時に線路に飛び込みたくなる時が月に1回以上ある。仕事や家族のことを考えて実行しようとはしない。自分が死んだらどうなるか考えることが多い。
何もかもからシャットダウンしたいと思う。死にたいと思うことが月に一回以上ある。長いときは2週間~1か月くらい続く。酷い時は家でも仕事中でもそのことしか考えない。お腹に包丁を刺そうと思って包丁を取り出してみて、あまり鋭利ではなかったのでそのまましまったことがある。何度かこころの相談に電話してみたがつながらなかった。救急を呼ぼうと思ったこともあったが入院になると方々に迷惑が掛かると思いやめた。無性に泣たくなることがあるが涙が出ることは少ない。死にたいときなど太ももなど自分で殴ることがある。他害行為はない。
2ヶ月に1回くらいしばしば心と脳が離れた感覚になる。体と脳がうまく動かせない。自分の心が見えなくなって動けない自分の脳に、冷静にその状態を見ている自分の心が「つらい?大丈夫?」と呼びかけるようなことがある。その状態は2日くらい横になって過ごすとおさまることが多い。
気分の状態に関わらず指の皮を触っていないと落ち着かない。大事な仕事中も気をつけていないと触ってしまう。3/17主治医への手紙より
主治医は手紙を見て、「仕事を週3回程度に減らした方が良いんじゃない?」と提案。
このころ、クローズで就職したもののオープンにするべきか悩んでいたので、主治医からの提案を受けて人事にオープンにするとともに、医師からの提案について伝える事にしました。
人事との面談
直属の上司に障害者手帳のコピーと、主治医から示された意見について手紙で伝えると、ほどなく人事担当者から呼び出しがかかり面談となりました。
ただ、何しろうつ状態で、「自分が無能だから悪い、もっと頑張らなければ」という気持ちが強く、また仕事内容的にも勤務日数を減らせるようなものではなかったので、面談の結果すぐにどうこうする、という訳ではなく、
- 正社員からパートになって勤務時間を減らすとしても、9時から17時までは勤務して欲しい
- 部署移動も検討に加えてみてはどうか
- 働き続けるとしても退職金が出る1年までは頑張ってほしい
というような感じで、働き方に関して、どうしたいのかまた考えて結論を教えて欲しい、という内容で終わりました。
この時、直属の上司はおらず、人事担当者一人だけです。
仕事の悩みに加えて「今後どうするか」の悩みが増えただけでした。
強くなっていく希死念慮、そしてODへ
Twitterの鍵アカウントの内容を見ると、うつが酷くなっていっている様子が見て取れます。
鍵垢のOD1週間前ツイートより。
「それが出来たら」 pic.twitter.com/EBGcxJYvZR— アキ@気分障害 (@aki_utsu) May 2, 2018
仕事のこと、自分が悪い→死んだ方が良い→死ぬしかないという思考。
OD前日から朝にかけて
先輩からのLINEはきつくなる一方でした。理由は、私の仕事のミスです。
今考えれば、こんな精神状態ならミスもします。
が、白黒思考が強く出すぎてもう駄目だ、死ぬしかないと考えます。
自殺の方法を色々ネットで検索しましたが、誰にも迷惑をかけない死に方はありません。何より、息子と夫を自死遺族にすることに抵抗があった。
自責の念
「自分のせいで死んだ」「自分が悪い子だったから」など、死の責任が自分にあると思い込み、自分を責める
そこで自殺当日に思いついたのがODです。
中学の頃「完全自殺マニュアル」という本で読み、ODで死ぬ可能性が低いことは知っていました。手元にある薬は2~3週間分ほど。
思い立ってからは、すぐに行動に移しました。
先輩にLINEで「すみません、今日欠勤します」と連絡。
薬と酎ハイを家から持ち出し、ネットカフェへ。
もくもくと薬を出して、何回かに分けて飲みました。
作業中は、妙に冷静だったような気がします。
「うつだったから」で片付けてはいけない
救急搬送されて家に戻ってからしばらくは、ODをした原因から目をそらしてきました。
先輩は仕事熱心で、こんな自分に対して指導をしてくれていた。
ODしたのは、自分のうつが酷かったから。自分の心が弱かったからなんだと。
でも半月ほどたった今、改めて振り返ってみると、きっかけはやっぱり先輩からのLINEです。毎日時間外にも責められ続けたことでうつも酷くなっていった。
休職する直前まで会社の先輩から「みんなあなたの事全く信用してない」「何で同じ失敗を繰り返す?」と業務時間外にラインで繰り返し言われたのが効いてるのか、家族以外の人と会ったり会話するのめちゃくちゃ緊張する。周りがどう思ってるのか考え出すと動悸が止まらない。
— アキ@気分障害 (@aki_utsu) May 2, 2018
うつだけではなく、それまではなかった対人不安の症状も出るようになった。
自分が1人で勝手に追い詰められてたんだと思っていたけど、認知のゆがみで自責が強すぎるだけなのかも。
会社も先輩も良いところがいっぱいあるから、彼らのせいにしたくない気持ちが根強くあるけど、私を追い詰めたのは会社の体制や先輩の態度が原因というのは事実。— アキ@気分障害 (@aki_utsu) May 2, 2018
自分にも原因はあるものの、ただ単に「うつだったから」ODに至ったわけではなく、原因がある。
繰り返さないためには、なぜそうなったのか、客観的に分析しなければならない。
うつが酷くなっているときに、原因を考える
繰り返さないためには、「死にたい」と思ったときにその原因があるのか分析をしなければいけません。「ただ何となく」なのか、「何かが辛いから」なのか。
そのためには、やっぱりその時々の自分を取り巻く「事実」と、それに対する「気持ちや感情」を見つめて、客観的に評価することが必要ですが、うつ思考の真っ最中に一人だけではこの作業をするのは、恐らく難しいでしょう。
一番は主治医に話をすることですが、当時の主治医は一番うつが酷くなりやすい月曜と火曜が定休日。
ODをしたのは火曜日です。
平日と土曜日に診療を行っているクリニックに変えて、受診の方法も変えることにしました。
休職して、悩みはしましたが退職することも決めました。
ストレス源であった先輩がいる環境に戻っても、また同じことの繰り返しになる可能性があったのと、仕事に対する自信喪失は大きい。
果たして「社会復帰」はできるのか
パートにしろ何にしろ、今は働くことに対して自信喪失しています。
これからどうしていけば良いのかは、まだ模索中です。
今までもあった躁うつだけではなく、新しい症状「対人不安」にも対処していかないと、仕事どころではないですし。
外に出て人に会う事考えるだけで身体が震えてくる、けど傷病手当金の書類もらいに行かなきゃ。
— アキ@気分障害 (@aki_utsu) May 2, 2018
人と会うことに少しずつ慣れていくこと、頓服の抗不安薬を効果的に使うこと。
今できることをひとつひとつやっていくしかないんですよね。