こんにちは、気分障害のアキです。
私は介護福祉士の専門学校を卒業後、介護施設で正社員として働きました。
しかし、人員不足による業務過多とサービス残業の多さに、家庭と健康と仕事のバランスをとることが出来ず、半年で辞めています。
そして、落ち着いたころに支払われていない残業代を請求、十何万円の支払いで和解しました。
その時のやりとりについて書きたいと思います。
目次
認められなかった超過勤務
その勤め先は雇用条件通知書にも超過勤務について記載があり、タイムカードで労務管理を行っていたのですが、超過勤務を請求するためには事前に「申請書」を提出する必要がありました。
申請書はユニットリーダー⇒介護主任⇒事務長⇒施設長と承認を得ないと通りません。
その上、以下のようなルールがありました。
- 通常の業務の延長によるものは超過勤務として認めない


労働基準監督署に相談
在職中、何度か勤め先の管轄の労働基準監督署に電話で相談しましたが、以下のような対応です。
- 書面で未払いの残業代の支払いを請求してください
- それでも支払われなかったら、その書面の写しを持参して相談に来てください
しかし、書面で請求しようにもユニットリーダーに相談した時点で
「その理由では申請できないんですよね…」
とむなしくも受理されず。
ちなみに、残業だけでなく始業1時間前から勤務していました。
「仕事を回すためには早く来ないと」
という先輩からの指示と、実際に1時間早く行かないと業務を回せないくらい忙しかったのです。
退職願の提出
やってらんねーよ!と就業規則通り、2ヶ月前に退職願を提出しました。
ちなみに、労働基準法上は14日前までに退職の旨を伝えれば退職できるのですが、ここは勤め人として一応会社のルールを尊重しています。

退職の際はもうサービス残業については言及せず、理由も「体調不良のため」とかそんな感じです。
引き止めに遭いつつも、無事に退職することが出来ました。
ほとぼりが冷めたころに未払い残業代を請求
残業代には時効があります。2年経つと請求できなくなるのです。
でも辞めた瞬間に未払いの残業代を請求すると、何だかめんどくさい事になる気がする…と思い、半年ほど期間を置いて、その勤め先や今も勤めているであろう先輩の顔が思い浮かばなくなったころに請求をしました。

もしかしたら相手方が異議を申し立ててくるかもしれないので、ほとぼりが冷めて心が安定しているときにやった方が良いと思います。
内容証明郵便を理事長宛てに送付
施設側がごねる可能性も考えて、請求書は内容証明郵便で送りました。
内容証明とは
いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって当社が証明する制度です。
当社が証明するものは内容文書の存在であり、文書の内容が真実であるかどうかを証明するものではありません。
内容文書とは、受取人へ送達する文書をいいます。
謄本とは、内容文書を謄写した書面をいい、差出人及び差出郵便局において保管するものです。
郵便局、送付先、自分用と3通同じ文面を用意して郵便局に持っていきます。
ちょっと手数料がかかりますが、返ってくる残業代のことを考えれば微々たる金額です。
タイムカード上はバッチリ実際の勤務時間が記録されているので、念のため勤怠記録も一緒に請求して、最後に「支払いがなければ労基署等に訴えますよ」と〆ます。

会社からの返事
支払期日の1週間ほど前に、会社から普通郵便で1枚の手紙が届きました。
なんと自ら労働基準監督署に申し出て、時間外労働について指導を受けているとのこと。
だいぶこちらの手間が減りました。
でも、サービス残業が常態化しているようなブラック企業でこんな対応に出る会社はあんまりないような気がします。
精査中につき期日までに返答が出来ない、と言われたので、黙って待ちます。
和解書が届く
返信があってから2週間ほどで、半年分の勤怠記録と共に「和解書」が届きました。
和解書の内容は以下の通り。
- 和解書をお互いに取り交わしてから7日以内に和解金を支払います
- 和解書の内容は第三者に公表、他言しないことを約束する
ということで、詳しい内容は書けませんが、言葉尻が一部引っかかるところがありつつも、金額には納得して和解書に署名捺印の上、返送。
無事に和解金として未払い賃金が振り込まれました。
電話でのやりとりはしない
私の場合は穏便に和解することが出来ましたが、お金に関するいざこざは基本的に証拠が残る文書という形でやり取りをしないと、後から言った言わないの問題が発生しかねません。


ブラック企業の場合、コンプライアンスという観念がなく、会社にとって理不尽だと思うことは徹底的にごねてくる可能性があります。

まともに相手にしてるとこっちが病みかねません。
文書は全てコピーして保管、もし電話に出てしまったとしても内容を録音。
そして淡々と事務処理するようにして、労働基準監督署の指示に従って手続きを進めましょう。
最近は未払い賃金請求に力を入れてる法律事務所も多いので、金額が大きい場合は丸投げしちゃうのもアリだと思います。
請求時効に注意
未払いの賃金(サービス残業代)には、請求時効があります。
2年以上経ったものは、請求できないのです。
もし過去ブラック企業に勤めていて、それが2年以内の出来事であれば、サービス残業代が支払われる可能性は大いにあります。


少し勇気がいるかもしれませんが、未払い残業代の請求は労働者の正当な権利です。
タイムカードがない会社の場合
最近はサービス残業の状況を記録するアプリも出てきています。
タイムカードがない会社の場合は、自分で記録して証拠を残しましょう。
毎日の積み重ねは大きいです。
私は試用期間も含めてたったの半年間ですが、十何万円の未払い残業代が支払われました。2年分ある人は100万円を超える場合もあると思います。
サービス残業をしている方は、ぜひ労働者としての正当な権利を行使してください。